モラハラを受ける人の特徴

モラハラを受ける人の特徴

モラルハラスメント(モラハラ)は、こんな日常の何気ないやりとりのなかでも、しばしば見られるものです。身近な誰かの行動の中に非難できるポイントを見つけ、そこを陰湿に指摘するなどして、相手の価値を貶めるのが、加害者の常套手段です。加害者は、相手を見下すことで、優越感に浸ることができます。
 
こうしたモラハラは、家庭の中だけで起こるものではありません。友人、恋人関係でも起こりますし、職場のパワーを利用したいやがらせ(パワハラ)、異性に対する性的いやがらせ(セクハラ)も、モラハラの仲間です。つまり、どんな状況であれ、自分より立場の弱い人間に精神的な苦痛を与えて満足する行為は、すべてモラハラに関連するのです。
 
しかし、モラハラを受ける被害者は、なかなか加害者の支配から抜け出すことができないことが多いのです。それはどうしてでしょう?
モラハラのワナから逃れられないのはなぜ?
モラハラを受ける側は、加害者の巧みな操作によって人間性を否定され、「自分はダメな人」と思い込んでしまいます。さらに、加害者は「一緒にいる私は、いつも迷惑を被っている」「被害を受けているのは私の方だ」と、自分の方が被害者であるように、思わせます。モラハラ被害者は、そうした操作を素直に受け入れ、自己否定に陥りやすいのです。
 
被害者が自己を責めているだけでは、加害者の支配から抜け出すことができません。しかも、加害者は「ダメなあなたを 受け入れられるのは、私しかいない」と、自分自身を「唯一の理解者」であるかのように思わせたり、離れようとすると罪悪感を植えつけ、優しい態度やへりくだった態度に豹変し、懐柔されることもあります。自立性や自己肯定感が低い人ほど、こうした態度に惑わされやすく、支配から脱出できなくなってしまいます。
 
しかし、モラハラを受け続けると、抑うつや不安、混乱、緊張が続き、心の病を発症してしまうこともあります。こうしたリスクを避けるためにも、本人がモラハラの被害に早めに気づき、加害者の支配から脱出する必要があるのですが、それにはまず加害者の特徴を知っておくことが必要になります。 モラハラ加害者になりやすい人には、一般的に次のような特徴が見られやすいので、心当たりがないかチェックしてみましょう。
いつも自分が優位に立ち、賞賛が得られないと気がすまない
他人の気持ちに共感することや、心を通わせあおうという気持ちがない
他人をほめることをしない。欠点をあげつらい、いつも悪口を言っている
自分の考え方や意見に異を唱えられることを嫌がり、無条件に従うことを要求する
自分の利益のためなら、他人を平気で利用しようとする
自分は特別な人間だと思っている
 
モラハラ的言動を受けたときには、最初から「解決不可能な問題」と考えるのではなく、まずは、「そう言われるのは嫌だ」「不愉快だ」という自分の気持ちを伝え、相手とじっくり話し合うことが大切です。
 
とはいえ、加害者のなかには自分の言動のハラスメント性に無自覚な人が少なくありません。それは、都合のよい答えを導き出すために、自分自身の心を操作しているためです。そうすることで、「人を貶めなければ自尊心を保てない」という現実への直面化を避け、自己を防衛しているのです。したがって、被害者が加害者の心を変えようと努力しても、精神的負担を増やすだけで、疲弊してしまうことが少なくないのです。 フランスの精神科医、マリー=フランス・イルゴイエンヌは、著書『モラル・ハラスメント』のなかで、加害者が相手を不安に陥れるためによく使う方法について、次のように記しています。
政治的な意見や趣味など、相手の考えを嘲弄し、確信を揺るがせる
相手に言葉をかけない
人前で笑い者にする
他人の前で悪口を言う
釈明する機会を奪う
相手の欠陥をからかう
不愉快なほのめかしをしておいて、それがどういうことか説明しない
相手の判断力や決定に疑いをさしはさむ
 
『モラル・ハラスメント』(マリー=フランス・イルゴイエンヌ著・高野優訳/紀伊国屋書店)より
 
もちろん、多少上記のような特徴を持ち合わせていても、すべての人がモラハラの加害者になるとはかぎりません。たとえば、精神的にまだ未熟な人や、挫折を知らない人は、尊大な態度で他人を傷つけてしまうこともあるでしょう。その人に自己中心的な部分があるとしても、少しでも他人を認め、共感を求める気持ちがあれば、いずれは精神的に成長し、思いやりが育っていくと思います。
 
しかし、何度交渉しても変わらず、自己満足のために他人を利用するようなら、早めに距離をおいた方が賢明だと思います。どうしても、その関係から抜け出せない場合には、なるべく相手との精神的な交流を断つことで、自分を守っていくことも必要なのではないかと思います。

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