離婚に合意した相手方と離婚条件を話し合う必要がある方へ

離婚時に決めておく必要がある7つのポイント

 

夫婦間で離婚の合意ができている場合、離婚届を提出することで離婚が成立します。

しかし、離婚時には離婚後の生活を見据えて協議すべき7つのポイントがあります。

まずは、離婚時に決めておく必要がある7つのポイントをご紹介します。

 

・財産分与

結婚後に取得した財産(住宅、預貯金等)は双方の協力によって得た財産として、名義に依らず夫婦共有の財産とみなされます。

※ただし、結婚前の預貯金や婚姻期間中であっても親から相続した財産は共有財産とはなりません。

基本的に共有財産は夫婦で折半となることが多いですが、収入が少ない方への援助や慰謝料の意味を加味して財産分与の割合が決まることもあります。

財産分与の請求は、離婚成立後2年以内と決められており、また一度書面で請求権を放棄してしまうと離婚後に請求できなくなってしまいます。やはり、財産分与に関しても離婚時に決めておいた方がよいでしょう。

 

・慰謝料

配偶者から不倫や暴力といった不法行為を受けたことが離婚の原因である場合、不法行為を行った相手方に肉体的・精神的苦痛に対する損害賠償金(慰謝料)を請求することができます。

 

・婚姻費用

結婚生活を送るために必要な費用のことで、別居中であっても、離婚成立までの期間中は、原則として収入の多い側から相手方に対して婚姻費用を支払う必要があります。

この婚姻費用についても、離婚の条件の協議と並行して話し合う必要があります。

 

・親権

未成年の子どもがいる場合、夫婦間でどちらが子どもの親権者となるかを決める必要があります。

 

親権者とは、

①子どもの衣食住の世話・教育を行う

②子どもに代わって財産の管理等を行う

権利と義務を持つ者を指します。

 

協議離婚や調停離婚にあたっては、夫婦の合意によって、夫婦のいずれを離婚後の子の親権者にするか決めなければいけません。逆に言えば、親権者について合意に達しない限り、協議離婚はできないということになります。

 

・面会交流

離婚後、子どもと暮らしていない方の親には、面会によって子どもと会う権利があります。

そのため、離婚協議の一環として、離婚後の面会交流の日時や頻度、一回の交流時間や元夫婦間の連絡手段等の協議が必要となります。

また、離婚前の別居中の期間でも、子どもと暮らしていない親には面会交流を行う権利がありますので、離婚協議と並行して、親子の面会交流を実際に実施していく必要もあります。

 

・養育費

離婚後に子どもと別れて暮らす親も、未成年(あるいは、経済的に自立していない)子どもの衣食住にかかる費用や、教育費・医療費等の一部を支払う義務があります。離婚協議においては、これらを包含した養育費の金額を夫婦の合意によって決める必要があります。

 

・年金分割

婚姻期間に応じて厚生年金の標準報酬(年金額を計算する際の基準となるもの)を分割することができます。

 

本記事では、夫婦間で離婚の合意が取れており、残り7つの離婚条件の決定に話し合いが必要なケースについて弁護士に依頼すべき理由を解説いたします。

 

離婚条件について話し合う際、弁護士に依頼すべきケース

 

離婚時に決めるべき7つのポイントをご紹介しましたが、夫婦間でそれらの協議を行うことが困難なケースがあります。

 

・感情的になり相手と話が出来ない/相手と対等に話し合いができない

相手が感情的になっていたり、相手方がDVやモラハラを行っている夫婦の場合、話し合いができない、あるいは、話し合いを一方的に進められてしまい、不利な条件で離婚を成立させられてしまうリスクがあります。

 

・収入・財産関係が複雑な場合。特に不動産や株が絡むケース

不動産の財産分与の方法としては、夫婦の一方が住宅や土地をそのまま取得し、他方は一定の現金を取得するという方法や、不動産を第三者に売却し、売却によって得られた現金を夫婦で分割するといった方法があります。

ただし、前者の方法の場合、夫婦がそれぞれ行った不動産査定の金額に差が生じ、紛争が生じるということがよくあります。当該住宅について住宅ローンが残っている場合は、不動産を取得しない側が連帯保証人になっているため、財産分与後も、連帯保証人としての責任が残ってしまうというケースもあります。さらに、いわゆるオーバーローンの場合には、不動産を売却しても借金だけが残ってしまうため、不動産を第三者に売却したくてもできないというケースもあります。

こういった特殊な事情があり、財産分与の話し合いが難航しそうな場合、弁護士に相談することによって、財産分与の方法やそろえる必要のある証拠等について適切なアドバイスを得ることができ、早期の解決を図ることも可能になってきます。

こうしたケースでは、離婚自体は合意に達している以上、弁護士を代理人にたてて離婚条件に関する協議を適切に進めることで、公平な離婚条件の元での離婚を早期に成立させることが可能になってきます。

 

弁護士に依頼するメリット

さらに、弁護士に離婚条件の協議を依頼することのメリットとして、

 

(1)交渉のプロである弁護士に、離婚条件の交渉を任せられる

(2)離婚条件を法的効力を持った書面にまとめることができる

 

といった点を挙げることができます。

 

離婚条件の話し合いでは、納得できない要求に対して妥協せずに断ることが重要です。

後になって後悔することが無いように自分の要求を通して、公平な条件で合意を行うためにも、交渉のプロである弁護士に依頼することが賢明といえるでしょう。

特に、離婚問題に精通した弁護士に依頼をすることで離婚の手続きをスムーズに進めることができるようになります。弁護士が取り扱う分野は多岐にわたります。

病院をイメージしていただくと分かりやすいですが、おなかが痛いときには内科、目の調子が悪いときは眼科、鼻水が止まらないときには耳鼻科を受診されると思います。弁護士も同様に、それぞれに得意な分野があります。専門性が高いほど、交渉において重要になるポイントを抑えており、案件慣れしているため優位に交渉を進める方法を熟知しています。

弁護士に依頼するもう一つのメリットとして、協議によって決まった離婚条件を文書として残す際に法的な助言を得られる点が挙げられます。

夫婦間の話し合いで取り決めた内容を「公正証書」の形で残し、債務不履行時に強制執行が可能となる様にしておくことで、離婚後に相手方が慰謝料や養育費等の支払いを拒んだ場合にも、裁判を起こすことなく相手の財産を差し押さえて支払いを受けられるようになります。

離婚後のトラブルを避けるためにも、弁護士のアドバイスの元で公正証書の作成を行うことが大切です。

 

最後に

夫婦間で離婚自体について合意ができている場合、離婚後に後悔しないためにも、離婚条件をお互いに納得できる形で決めておく必要があります。

離婚問題の解決の専門家である弁護士に依頼することによって、公平な離婚条件の合意により早くたどり着くことが可能となります。

また、離婚条件を書面に残すことで離婚後のトラブルを防ぐことができますので、、新しい生活への第一歩を安心して踏み出すこともできます。

離婚に合意した相手との離婚条件の交渉についてお悩みの方は、是非弁護士にご相談ください!

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