離婚後に必要な子供のメンタルケア
離婚後に必要な子供のメンタルケア
私が母子家庭、なかでも離婚後の小児を対象としたメンタルケアを行ってきた経験をここに記述します。
両親が離婚をした際には、子供はおおよそ以下の展開が予測されます。
別居時には、子供は怪しがり、「もうパパとは一緒に暮らせない」と言い出してくるでしょう。また、「パパがいないわけではない。会いたいときにあえる」といっても実情父親がいないので説得は難しいでしょう。一緒に暮らせないのは、「ママとパパがケンカしてしまってママが泣いてしまうから」といって、現実に起こっている問題を正直に言うケースも少なくありません。その後、だいたいは1年間精神不安定になり、泣き通し日々が多いでしょう。離婚後に相談に来る母親の内容はこんなケースがほとんどです。
では、私が実際に母親にアドバイスとして伝えている内容を記載しましょう。
親の離婚は子供にとっては非常に心に残る事です。普通に過ごしているようにみえても、心は傷ついている事があります。そのため、しっかりと子供の心のケアをしていきましょう。早めに心のケアをする事で傷ついた心をケアする事ができるでしょう。どんなに、夫婦関係が冷めて、喧嘩したりしているとしても。子供にとっては父親、母親です。子供がいる前で、父親・母親の悪口は言わないようにしてください。もし、子供の前で言ってしまうと子供の心が傷ついてしまうからです。
また、離婚して親権が無い親にに子供が会う場合は気持ちよく送り出してあげます。ここでも、悪口を言ってしまうと親権がない親に会っても子供は一緒に住んでいる親の事を気にしてが楽しく遊ぶ事はできないでしょう。
また、子供と会う場合はしっかりと子供に愛情を注ぎ運動会は離婚しても夫婦2人で参加すると子供が喜びます。このように、離婚した後も子供の心を考えて行動、話しをしていきます。何気ない言葉が子供の心を傷つける事があるのです。親は離婚する時に、色々あって離婚したと思いますが、子供は親との楽しい思い出もあるので相手の悪口を言うのはやめましょう。
子供に変化がなくても、傷ついている事がありますから子供の前では夫婦関係に何があったとしても仲が良い夫婦を演じてください。例えそれが演技だとしても、子供にとっては嬉しい事ですからね。子供の事を考えて、発言や行動をしてください。だからと言って、離婚しないようにと言っているわけではありません。
離婚した後も、子供の前で相手の悪口を言ったりしないようにしてくださいという事です。また、離婚後、子供の様子がおかしい場合はカウンセリングを受けさせるようにしてください。深い心の傷を負ってしまうと素人では改善する事ができないからです。精神科に行くと、カウンセリングを受けられます。
ながながと記述しましたが、実際にはこのような内容が効果的でしょう。どんなに両親が不仲で離婚しても、父も母も仲が良かったころのことを子供は覚えてます。世界に2人といないかけがえのない両親です。
では実際にどのようなことに注意して子供を観察すればいいでしょうか?主な着眼点としてはこれです。
<生育状況>
既往症 、過去のトラウマ体験の有無
<心身面の変化>
病気にかかる頻度(風邪を引きやすくなった、発熱や腹痛が多くなった等)、アレルギー症状(症状の悪化、新たな症状の出現等)、(下校後の過ごし方(友達と遊ばなくなった、帰宅が遅い等)家庭での様子(ふさぎこむ、学習に取り組まない、好きな遊びをやらない等) 睡眠の様子(寝つきが悪くなった、眠りが浅い、よく眠れない、怖い夢を見る等)
<環境面>
家族構成の変化(弟妹の誕生、父親の単身赴任、家族の死去、保護者の離婚・再婚、兄姉の自立等)家庭環境の変化(新築、転居、一人部屋への移行等)学校外の活動(習い事を始めたりやめたりした、習い事でのトラブルの有無等)
子供は本当に繊細な生き物です。日々繰り返される生活の中で、どんな問題を抱え込こんでからは、日ごろ関わっているご両親が一番見つけやすい環境にあります。一人で悩まずにどうぞ、わたくしたち弁護士にご相談なさってください。