離婚届の記入前に確認するべきこと
離婚届の記入前に確認するべきこと
離婚届はサインひとつでOKだと思ったら大間違い! 事前に夫婦で決めておくべきことや添付書類が必要な場合など、意外と知らない書き方や提出方法を詳しくご紹介します
離婚届を書く際には、証人や添付書類が必要になるので事前の準備をしておくことでスムーズに提出できます
「紙切れ一枚」という表現があるくらい、書いて提出すれば簡単に成立してしまうと思われがちな離婚届。でも実は、書き方や提出の仕方にもポイントがあるんです!
今回は、実際に離婚届を提出するにあたって「どんなところに注意して記入するべきか?」「必要な添付書類はなにか?」など、意外と知られていない手続きの方法についてご紹介します。
離婚届の書き方 3つのポイント
せっかく離婚届を出すと決めたのにもかかわらず、書類に不備があって再提出をしなければならない……などという展開は避けたいものですよね。スムーズに手続きを済ませるためにも、まずは書き方のポイントをおさえておきましょう。
1 事前に決めておくべきことを整理しておく!
離婚した後での戸籍をどうするか(結婚前のところに戻すか、新しく籍をつくるか)、親権はどちらか、未成年の子どもがいる場合の名前をどうするか(必ずし も親権を持つほうの戸籍に入るとは限りません)、年金の分割についてなどは、離婚届に記入しなくてはならない事項の一例です
2 証人が2人必要なので準備を!
協議離婚の場合に限っては、20歳以上の証人2名に住所、生年月日、本籍地を記入と押印がそれぞれ必要になります。知り合いのご夫婦に証人になってもらうことも可能ですが、その際はご夫婦で異なる印鑑を押してもらうことに注意してください。届けを出す日に証人欄に記入漏れがあったりすると再提出を求められるので、証人と連絡が取れるようにするなどの配慮も必要です。
3 内容を訂正するとき、修正液は使わないこと!
離婚届の用紙にはボールペンなどで丁寧に記入することが基本。ただし、誤った内容を記入してしまった場合、修正液などで訂正するのではなく、二重線で消し、横に訂正印を押すようにします。特に今流行りの消えるボールペンでの記入は無効です。
以上が離婚届を書くときのポイントになりますが、法務省のホームページには書き方のサンプルも掲載されていますので参考にしてみてください。
離婚届に必要な添付書類とは?
離婚には「協議離婚」「調停離婚」「裁判離婚」など、いくつかのケースがありますが、その90%を占めているのが協議離婚です。協議離婚の場合、役 所へ提出するのは基本的には離婚届のみ。ただし、届出人が本人であることを確認するために、運転免許証やパスポートなど本人確認ができるものが必要になり ます。
協議離婚以外の場合には、離婚届のほかに提出しなければならない書類がいくつかあります。たとえば、調停離婚のときは調停調書の謄本が必要になりますし、裁判離婚のときは判決の謄本や審判書の謄本、確定証明書などを提出しなければなりません。
このほかにも、結婚前の姓に戻さない場合は、離婚届を提出した日から3ヶ月以内に別途書類を届け出することが定められています。
このように、個々のケースによって提出するものが異なる場合があります。おすすめなのは、離婚届を提出するときになってからではなく、離婚届の用紙をもらうときに役所の担当者にあらかじめ相談しておくこと。事前に電話等で確認しておくことで、手続きを不備なく決められた日に進められるでしょう。
こんな場合は離婚届が受理されません!
子どもがいる夫婦の場合は、離婚届の準備をする前に子どもの親権や名前などについて決めておくのは必須事項
「もしも、相手に勝手に離婚届を出されていたら、その離婚は成立するの?」と質問されることがありますが、答えは「No!」です。離婚は結婚と同じで、ふたりの合意がなければ成立しません。
「離婚届不受理申出」という届けを市区町村役場に提出しておくと、相手が勝手に提出しても離婚届が受理されないことも、覚えておきましょう。
万が一、合意していないのに離婚届が出されていた場合は、家庭裁判所に調停や審判を申し出たり、裁判をしたりすることになります。ただこの時は弁護士依頼の際には費用もかかりますし、何より時間もかかります。
また、ふたりの間に子どもがいる場合は、当然のことながら親権者を決定してからではないと離婚はできません。
離婚届を提出後、再婚可能な時期はいつから?
離婚届を提出して受理されれば、ふたりにとってはいよいよ新しいスタート! 次の恋愛にも堂々と前向きに考えられる日々がはじまります。
ところで、「すぐにも再婚を!」と考える場合、男性と女性では条件が異なります。男性の場合はすぐにでも再婚の手続きがとれますが、女性の場合は6ヶ月の猶予が必要になります。理由は、妊娠の有無を判別するためです。
ただし、例外もあります。離婚の理由が相手の失踪宣告だったとき、元夫の子どもを妊娠していないことが確実な場合や、元夫と復縁によって再婚する場合などがそれにあたります。
いずれにしても、「離婚届を提出する」という一見、簡単に思えることでも、手続きにはいくつかのルールがあり、思いつきで行動することはできません。最近 では、「この日に離婚届けを受理してほしい」という希望がある人も多い傾向があります。離婚届を出すために何度も市区町村役場に足を運ぶなど、時間や労力 のムダ遣いをしないためにも、しっかりとポイントをおさえてスムーズに手続きを進めましょう! そのことが、次なる幸せのステージの第一歩なのですから。