妻の不貞発覚をきっかけに暴力・脅迫行為を繰り返すようになった夫と離婚した事例

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手続き

離婚調停 離婚の理由 妻の不貞、夫の暴行・脅迫

相談のきっかけ

相談者である妻の不貞発覚がきっかけで夫が情緒不安定になり、妻に平手打ち等の暴行を加えるとともに、数日間、「殺す」「体に俺の名前を刺青で入れろ」等の脅迫を繰り返すようになった。夫がキッチンから包丁を持ち出す等したことを受けて妻が警察を呼び、夫が署で事情聴取を受けている間に妻子が避難別居を開始した。妻としては協議か調停での離婚を希望しているが、本人間での話合いは期待できないため、代理人対応を依頼する目的で弊所へ相談。

依頼者の性別

女性 依頼者の職業 保険外交員

依頼者の年齢

30代
相手の職業 会社員 相手の年齢 30代
子供の有無 子供の人数

2人

子供の年代 小学生
結婚歴

10年(別居開始時点)

別居期間 9か月(離婚成立時点)

事案の概要

妻側の代理人に就任後、地裁にDV被害者保護命令、家裁に離婚・婚姻費用調停をそれぞれ申し立てました。保護命令は無事発令され、調停では主に下記の点が争点になりました。

⑴ 不貞をした妻側からの婚姻費用(生活費)請求の可否
 夫側からは、破綻・別居の原因が妻の不貞にあるので、子らの養育費相当額を超える妻分の生活費の請求は認められないとの主張が出ました。
 これに対して当方は、別居の主たる原因は夫側の暴行・脅迫にあるため、妻だけに破綻・別居の原因があるとはいえないと反論しました。

⑵ 養育費計算の前提となる妻の年収
 保険外交員の妻は保険外交員3年目で、主だった営業先からの契約取り付けが頭打ちになったことを受けて査定等級が大幅に降格し、収入が大きく目減りしていました。
 そのため、家裁の養育費算定表へ当てはめる妻の年収は、降格後の収入を前提とすべきであると主張しました。
 夫は降格の原因は不貞交際にあるとして、降格前の年収での計算を主張していました。

⑶ 離婚慰謝料支払いの要否、金額
 夫側からは、離婚慰謝料として200万円の請求がありました。
 もっとも、夫は別居後、不貞相手男性から500万円もの不貞慰謝料を受領していたので、これに重ねて妻も慰謝料の支払義務を負うものではないと反論しました。

 

解決内容

●親権は、2人とも妻が取得。
●養育費は、1人あたり月3万2500円を原則20歳の誕生月まで、4年制大学進学時は22歳になってから最初に迎える3月まで支払う。降格後の妻の年収を前提に計算。
●面会交流については、保護命令の有効期間内は、次女の写真や通知表等の共有のみ。その他の交流の可否は保護命令失効後に再協議。
●慰謝料として、妻が夫に10万円を一括払い。
・別居の約9か月後に調停離婚が成立。
・婚費調停申立ての2か月後から、毎月3万円の婚姻費用(子の養育費分)仮払いあり。
・最終的に決まった養育費(2人合計6万5000円)と仮払額(3万円)との差額の清算義務は免除。

所感

妻側に不貞があり、かつ、相手方に妻への強い執着心が窺われる事案であったため、紛争長期化のリスクも相当ありましたが、結果的には1年以内に調停離婚を成立させることができました。

⑴ 不貞をした妻側からの婚姻費用請求の可否
 不貞発覚前の暴言・暴行の客観証拠がなく、夫の暴行・脅迫の原因は妻の不貞にあるという一面は否定できないこともあり、調停を担当する裁判官から、養育費相当額に限って負担すべきとの意見が示されました。
 そのため、その後は方針を切り替え、未払額(仮払い期間中の不足額)の清算を免除することで、慰謝料減額の交渉材料にすることにしました。

 

⑵ 養育費計算の前提となる妻の年収
 こちらは、妻勤務先の給与規程や査定等級制度の案内資料を丁寧に読み込み、主張書面で説明を尽くしたことで、調停の担当裁判官から、降格・減収後の収入を基に計算すべきとの意見を示してもらえ、その方針での調停成立を実現できました。

 

⑶ 離婚慰謝料支払いの要否、金額
 下記の点を指摘したことで、大幅な減額を実現できました。
・被侵害利益が共通しており、不貞相手男性の支払った金額も多額であること
・不貞慰謝料の支払いと離婚原因の共通性を理由に離婚慰謝料を認めなかった高裁の裁判例があること
・降格後の年収を踏まえた最終的な養育費額と仮払額の差額精算義務が本来はあること
・婚姻費用以外にも、夫婦双方が負担すべき費用の妻側の立替が相当額に及んでいること
・降格に伴う減収により、妻の支払能力がほとんどないこと

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大阪和音法律事務所

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