何年も会話がほとんどない40代夫婦における離婚訴訟の事例
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手続き
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離婚訴訟 | 離婚の理由 | 性格の不一致 | ||
相談のきっかけ |
金銭感覚の不一致や、自宅不動産購入関連費用の分担等に関する意見対立等の理由で夫婦間の会話がほとんどない状態が何年も続いたため、夫から離婚の申出があった。妻としても離婚すること自体は異存なかったものの、離婚後の養育費や財産分与についても意見の対立が激しかったため、弁護士に相談することを決めた。 |
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依頼者の性別
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女性 | 依頼者の職業 | 主婦(受任後にパート就労開始) |
依頼者の年齢 |
40代 |
| 相手の職業 | 会社員 | 相手の年齢 | 40代 | ||
| 子供の有無 | 有 | 子供の人数 |
1人 |
子供の年代 | 小学生 |
| 結婚歴 | 15年(離婚成立時) | 別居期間 | 2年6か月(離婚成立時) | ||
事案の概要
別居開始前に受任し、夫との離婚条件協議に着手。代理人受任後に夫が翻意して関係修復を希望し始めたため、妻は娘を連れて別居を開始。婚姻費用の金額にも争いがあったため、別居後間もなく婚姻費用調停を申し立てた。その後、夫側にも代理人が就任し、夫側から面会交流調停と離婚調停が順次申し立てられた。
婚姻費用、面会交流については調停で合意できたものの、離婚後の養育費や財産分与(夫側の主張する特有財産の評価方法)に関する意見対立が解消できなかったため、離婚調停は不成立となり、離婚訴訟に移行。約1年間の争点整理と和解調整を経て、本人尋問前に和解(調停に代わる審判)成立。
解決内容
所感
⑴ 養育費
・裁判所の算定表に双方の収入をあてはめて計算する方針自体は争いなし。
・婚姻中ずっと専業主婦だった妻の収入について、下記のとおり意見が対立。
妻:実収入(約60万円)で計算すべき
夫:パート労働者の平均収入(約120万円)と同等の潜在的稼働能力があるものとみるべき
・計算結果はそこまで大きな金額差にはならなかったため、双方主張額の中間値付近での合意に至りました。
⑵ 財産分与
・夫側は、①婚姻時点の預金残高、②自宅不動産購入前後の夫の父母からの贈与金、③夫の父から相続した遺産分割金といった夫の特有財産(=分与対象外財産)の総額が、別居時の夫保有財産総額を上回っているという理由で、当初財産分与なしでの離婚を主張。
・これに対して当方(妻側)は、特有財産は別居時まで現存している限度で考慮するのが裁判所の運用であり、上記特有財産の大部分は入出金の激しい夫の給与振込口座へ混入し、特有財産としての独立性を失うとともに、葬儀費用や相続税の支払い等で一部費消された部分もあるため、少なくとも別居時の夫保有財産の全額を夫の特有財産として扱うことはできないと主張しました。
・贈与後間もなく不動産購入代金の支払いに充てられている②夫の母からの贈与金については、自立歩行ができない夫の母も同居予定で、特別なバリアフリー設備の増設や妻による介護補助が予定されていることを踏まえた夫婦両名に対する贈与であるため、夫の特有財産ではないと主張しました。
・夫の主張する特有財産のほとんどは一度夫の給与振込口座を経由し、しばらくしてから他の預金口座や証券口座等に移されており、夫側特有財産の寄与度を具体的に算出することは難しいものの、婚姻後数年間の夫の白血病治療や子育て等の影響もあり、婚姻中に貯蓄に回せていた金額は多くなく、夫の特有財産が別居時までの資産形成に相当程度寄与していること自体は否定できませんでした。
・そこで、婚姻中の夫の推定給与総額と特有財産からの入金総額を比較して大まかな夫の特有財産割合を算出し、分与金額を提案しました。その結果、最終的には双方の主張金額の中間値に近い金額で、和解での離婚が成立しました。
⑶ 総括
・婚姻期間が長い夫婦の場合、いずれかが財産分与で特有財産を主張するとなると、別居時まで婚姻後の収入と混ざらずに現存しているかで意見対立が生じがちです。この争点については、裁判所も事案ごとの判断が多く、明確な基準もないため、交渉の余地が大きいです。
・当初の相談から問題の所在を把握し、長期戦の可能性も視野に入れて早期に婚姻費用の調停を成立させたことで、夫側も徐々に譲歩の姿勢を見せるようになり、最終的には多額の財産分与を取り決めることができました。
大阪和音法律事務所
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