妻が離婚後も夫名義の不動産に継続して居住することを希望したため、離婚条件として、①妻と子が離婚後も不動産に居住(妻へ賃貸)、②住宅ローンの負担を妻に求めない、③妻と子が居住中は不動産の名義を第三者に移転しない、などの条件を定め、さらに賃貸借契約書も作成して協議離婚が成立した事案

解決事例31

妻が離婚後も夫名義の不動産に継続して居住することを希望したため、離婚条件として、①妻と子が離婚後も不動産に居住(妻へ賃貸)、②住宅ローンの負担を妻に求めない、③妻と子が居住中は不動産の名義を第三者に移転しない、などの条件を定め、さらに賃貸借契約書も作成して協議離婚が成立した事案

     

事案内容

離婚

依頼者

妻:40代後半(パート)

相手方

夫:40代後半
(会社員)

結婚暦

19年

子供

1人
(10歳以上20歳未

 

 

事案の概要

数年前から夫が単身赴任しており、それに伴って夫婦のすれ違いも増えていたが、夫が単身赴任先から帰ってきた際に突然離婚を求めてきた。依頼者は、子どもが離婚に賛成したため、離婚に応じることにしたが、子どもが大学に行くまで現在住んでいる家に住むことを強く望んだため、当該条件を明確にした離婚協議書の作成を当事務所へ依頼。

解決内容

依頼者の収入状況からすると、不動産の所有名義と住宅ローンの名義を依頼者に変更してしまうことは実質的に不可能でした。そこで、離婚の条件として、①離婚後は住宅ローンを夫が負担し、妻に負担を求めないこと、②子どもが大学に行くまでの期間、夫から妻へ不動産を賃貸すること(離婚協議書と別に賃貸借契約書を作成)、③依頼者と子どもが住んでいる間は、不動産を第三者に譲渡しないこと、などを離婚協議書に盛り込み、依頼者と子どもの望む条件が満たされるようにしました。また、夫が不動産を妻に賃貸する際の賃料は、同等の不動産の相場より低額に設定しました。上記内容の他に、養育費・年金分割等についても夫婦の協議がまとまり、協議離婚が成立しました。

所感

①夫婦の現金・預貯金額が低額である、②夫名義の不動産があるが、住宅ローンの残額がまだ多い状態である、③妻の収入が低く、住宅ローンの名義を変更するのが困難、といったケースにおいて、離婚後も妻が今までと同じ不動産に継続して住むことを希望する場合は、諸般の状況を考慮し、慎重に離婚協議を進める必要があります。本件は、その典型的な例であったと思います。